芸術学
デザイナーになるには?
海外でデザインを学ぶ
海外大学はデザインのビジネス的な側面から、また社会的付加価値の側面からプログラムを提供しています。ここ数年、プロダクトデザイン(車をはじめ、様々な商品のデザイン)が注目されており、商品の機能、性能、価格に加えて、デザインの価値が高まっています。ライフスタイルの変化により、デザイナーの需要や関わり方も大きな変化が起きています。海外大学では「ひらめき」といった感覚的なものを、「継続的」に起こすことを重要視しており、「ある一定のクオリティデザインを継続的に創出する」という側面でプログラムが提供されています。またビジネス的な側面では、ファッションデザイン含め、全世界のマーケットを意識した授業内容が提供されます。例えば、FIT(Fashion Institute of Technology)では、ファッションビジネスも世界トップレベルの評価を得ており、世界流行色会議を受け、2年後、3年後の流行色、流行スタイルを考慮しながら、生地の手配、製造工程までを考えるトータルプログラムが提供されています。デザインとビジネスを両輪として学べる環境は非常に魅力的と言えます。
先輩の声
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留学を考え始めたきっかけ
留学を考え始めたきっかけは、中学・高校の時、広島で平和活動の一環で色々と国際交流をするチャンスがあり、海外の文化や言語にとても興味がわきはじめました。美術と英語、外国文化等に興味があり、進路をどのようにしたらいいかと考えていたところ、HIUCの事を知り、これなら英語も美術も同時に学べるのではないかと思い、決めました。HIUCでは、ネイティブの先生との会話や授業のやり方に慣れるとても貴重な時間でした。また、数学など一般教養科目の必須単位を先に日本で取得できたことが大変助かりました。留学先はシラー国際大学ロンドン校に美術学部があることと、ロンドンには以前行ったことがあり、古い物と新しい物が混沌とした文化にとても惹かれていたので決めました。ロンドン校で2年次にスペイン語の授業を選択して受けたところ、すっかりスペイン語にはまってしまい、同じスペイン語クラスのアメリカ人のクラスメイトと一緒に、同大学のスペイン校に編入しました。世界のあちこちに分校があって自由に編入できるのがシラー国際大学の良いところです。大学では、商品内容が一瞬でわかるパッケージを考えてデザインしましょうとか、具体的にビジネスが思い浮かぶ内容を題材に、ディスカッションしながら進める実践的な授業が面白かったし、今に役立っています。授業は皆の発言で白熱するので、最初は自分が発言するタイミングも掴めず、授業についていくのが大変でした。スペイン校では美術史の授業で頻繁に美術館めぐりがあり、とても刺激的でした。
ちぃさん
フリークリエーター シラー国際大学(ロンドン校・スペイン校)商業デザイン学部卒業(学士号課程取得)
留学経験を活かして
現在はフリーのChii(ちぃ)で、クリエイターとして、ライブドアネットアニメでウェブアニメを配信しているのと、小学館の学年誌や女児向け雑誌で漫画を毎月連載しています。アニメも漫画も全てパソコンを使って作ります。この仕事の楽しいところは、色々と自分でアイデアを出して物作りができること。それに子供やそのお母さんお父さんから「面白かったです」とお手紙やイラストをもらった時はとても嬉しいです。
海外に行って、日本のキャラクターとかアニメがどれだけ世界で絶賛されているかを知りました。その時はキャラクターを作る仕事とか、具体的に考えてはいなかったのですが、外国の人が日本のキャラクターをいっぱい知っていることがうれしかったです。そういうのも今につながっているのかもしれません。あと授業で習った、色や形や構図でメッセージを伝えるということは、仕事でもいつも意識しています。
今後も自分の作ったキャラクターや商品が、みんなに愛されるものになるようにしたいです。まだまだいろんな分野の創作にもチャレンジしていきたいです。海外で勉強することはとても大変ですが、その分得るものも大きいです。全く違う環境で育った人達と過ごし、自分と違う人の良さや、人と違う自分らしさを大事にできるようになると思います。将来の選択肢も広がることは違いありません。だけどいきなり行くとまずリスニングや授業の激しいディスカッションに相当苦労してしまうと思いますので、まずはHIUCでネイティブの先生との授業・コミュニケーションなどに慣れてから行くのがべストだと思います!
留学のメリット
芸術の未学者でも入学できる環境
アメリカの大学において、アートは最も一般的な科目であり、専攻を芸術としなくても、大学の1、2年の間教養課程においてアートの分野の選択科目を履修することは、ごく一般的なことと言えます。日本とは違い初歩レベルであったとしてもアートの授業を受けることによって関心が強まりそのまま専攻をアートへ変更する学生も多く存在します。
理論~実践、全てを網羅する専攻
Fine Arts(美術):絵画に始まり彫刻・デッサン・写真などの「実技分野」から、美術史や芸術教育など「理論分野」に至るまでの芸術学の総合的な領域を学べます。Commercial Arts(商業美術):商業社会において有益とされる実用価値の高い芸術分野であり、広告デザイン、インテリアデザイン、工業デザイン、ファッションデザインをはじめ実際に適した領域での応用と研究ができます。
芸術家に留まらない就職の選択肢
プロのアーティストとして活躍する以外にもテレビ局やコンピューター会社(特にCG分野)、各種外資系企業の広報部など、日本の美大と比べても、幅広い就職選択の可能性が広がるものと言えます。